2016年度はタイの子どもたちへの教育機会提供支援に関し、皆様より様々な面で大変お世話になり、どうもありがとうございました。募金活動の実績ですが、2016年度は7,129人（昨年度7,628人）の学生が奨学金の提供を受けることができました。そのうちのEタイプという金額を指定しない奨学金と募金箱へのご寄付からは 125人（昨年度200人）の子どもたちに奨学金を提供することができました。尚、下記は、今回中学校１年生になって奨学金がもらえた４人の話と奨学金が彼らにとってどのように大切なものなのかのご紹介・ご報告です。
①チョークシリ・ウアーブウアン（男）ナーナムチュム校、ウドンターニー県
「祖父母と弟2人と暮らしています。両親は別の県に出稼ぎに行っており、めったに会う機会がありません。稲作の時期が終った時に、他には仕事がないからお米を買うために祖父母は池で漁猟をしなければなりません。魚を取れない日はその日の収入がないため、食事も出来なくなります。私は背が低いですが強くなって、将来は国に貢献できる警察官か軍人になりたいです。私の夢は本当に叶えるかわかりませんが、頂いた奨学金は私の夢を実現するために一歩を踏み出せたと感じます。勉強のために大事に使わせていただくことを約束します」
②バンティター・アヌカム（女）チュムチョンドンムアンカイ校、サコンナコーン県
「生まれてから父親の顔を一度も見たことない私は母親と暮らしてきました。でも、母親が再婚して別居になってからは、時々仕送りをしています。今はお婆さんともう一人の妹と3人で暮らしています。お婆さんは捨てられたペットボトルを集めて麻袋１杯くらいの量ができたら売ります。袋当たりの収入は100バーツ程度です。お婆さんが疲れすぎないように私はできるだけ全ての家事を手伝っています。お小遣いは5～15バーツをもらっていますが、収入により何バーツももらえない日もあります。その日はちゃんと昼食が食べられないと分かっていても、
学校に行きたくなくなる気持ちにはなりません。怠け者になりたくないからです。将来はデザイナーになりたく、たくさん貯金ができたら行方不明の父親を探そうと思います。また、将来は今の私みたいに貧しい子どもたちを助けてあげたいです」
③パサコーン・ブンヤロット（男）バーンノンプロング校、チャイヤプーム県
「今はしっかり勉強して将来は国のサッカー選手になりたいです。その日が来るまで今の勉強を一生懸命頑張ります。私は伯母と弟と暮らしています。両親は離婚し、それぞれ別のところにいます。僅かなお金でも休みの日にキャッサバの畑で仕事をします。 今回奨学金をもらえる学生の一人に選んでくれた先生に深く感謝します。勉強のために使った残りの奨学金は、将来の夢を実現させるために貯めておきたいと思います」
④ハタイラット・クリンブン（女）バーンプランマカー校、チャイヤプーム県
「家事をしたり、まだ小さい妹たちを着替えさせたりするために毎朝５時に起きなければなりません。一緒に暮らしている祖父母はキャッサバの畑で仕事をしていますが、収入が少ないので起きてから学校で食べるお弁当を用意して家庭の経費を節約しています。お婆さんは高血圧症で体調の悪い日は、学校に行く日であっても通学をやめて面倒を見なければなりません。いただいた奨学金はどうしても必要な時だけに使います。残っていたら将来の勉強のために貯めておきます。将来は人の役に立てる看護婦になりたいです。最後に私のように貧しい家庭の子供へ奨学金の提供をしてくださった方々に深くお礼申し上げたく思います」
以上奨学生たちの自己紹介の手紙から抜粋した内容を見ますと、皆は勉強を頑張って将来を明るくしたいという希望を強く持っています。学生の皆は、勉強をしたり友だちと遊んだりできる最も幸せな場の学校へ通うのが大好きですが、家庭の事情で学校へ通えない日もあります。皆様からいただいた支援金は、貧困にあえぐこの子供たちが、それぞれの夢を実現するための大きなきっかけとなる、とても大切なものだと信じております。
2017年度として2017年5月31日まで募金をさせていただきます。引き続きご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。
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