ダルニー奨学金の始りとなった「ダルニー」のインタビュー
ダルニー奨学金の始りとなった「ダルニー」のインタビュー 今回は日本事務所民際センターの支援者でもある連絡会「ほほえみの会通信」から2021年7月号の「ダルニーさんにインタビューしました」の記事を調節し、転載します。
 
  • ダルニー奨学金の始りとなったその「ダルニーちゃん」を再び語る
   
        1987年             2004年秋尾理事長と東京オフィスで     2021年タイオフィスで


ダルニーさんは、1987年に民際センターの秋尾理事長と初めて会いました。その時ダルニーさんは小学生でした。秋尾さんは、日本で知り合ったタイ人留学生の帰省に同行して、タイ国ウドンターニー県タリンチャン村を訪れたのです。その時、秋尾さんはタイ東北地方の村に経済的な理由で中学校に進学できない子どもたちが少なからずいる事を知りました。村人から「年間1万円あれば、この子も何とか中学校で勉強する事ができるんです…」という話を聞いた秋尾さんが、「それなら私にも支援できるぞ」と日本に帰って奨学金支援者を募ったのです。そして、その翌年ウドンターニー県で41名の子どもたちに初めてダルニー奨学金が給付されました。これがそのときに出会った「ダルニーちゃん」を由来したダルニー奨学金の事始めです。
ダルニー奨学金で中学校に進学したダルニーさんは、中学校卒業後、奨学金を得て3年制の職業高校で学び、さらに2年制の上級職業専門学校へと進み、2000年3月に卒業しました。それから大学進学を目指しましたが、学費が足りないので「まず働いて貯金する」事にしたそうです。それからデパート勤務などを経て、2003年8月からEDF-Thaiのスタッフとして働き始め現在に至ります。2004年にはバンコクにあるChandrakasem Rajabhat University夜間部に入学しています。24歳の新入生の専攻はマーケッティングでした。今回現在どのような人生を送っているのかご紹介いたします。
  • 現在EDF-Thaiで働いていますが、どの様な仕事をしていますか?
私の仕事はEDF奨学金のコーディネーターと言えるでしょうか。EDFのネットワークに入っている学校と連絡を取って、学校と生徒の情報を集め整理しています。(奨学金支給前に学校側と行う生徒の在学確認書類のチェックなども彼女の仕事の内だと思います。)今は2021年度に奨学金を申請した生徒の申請書類と自己紹介の作文を精査しています。そして今年度に奨学金を給付する生徒を選別します。 それから奨学金を受け取る生徒の写真などを準備して、奨学金支援者の皆様に証書を発送致します。
  • ダルニーさんはお家ではどんなお母さんですか?
私は子どもたちを自由にやらせています。自分に出来ることは自分でするように教えています。間違えた時には理由を教えて正します。ひどい事をした時には罰も与えます。私は一番良いお母さんではありませんが、子どもたちのお手本になれるよう一生懸命やっています。「分かち合う」こと、「ほかの人を手伝う」こと、「身の回りをきれいに掃除する」ことを、子どもたちに教えます。これらのことは子どもたちが将来立派な人間になる為に役立つと思うからです。
  • 三人のお子さん達について教えて下さい。どんな子どもたちですか?
長男はWin、 11歳で小学5年生です。とてもお茶目で明るい性格です。いつも私や弟達の事を手伝ってくれます。食欲旺盛でよく食べます。絵を描くのが上手ですけれど、時々ふざけてちょっと不真面目です。お家の手伝いは、ゴミ捨てと、弟達に簡単な料理を作ってあげる事。例えば、カイダーオ(目玉焼き)とか、カイジャーオ(タイ風卵焼き)です。
次男はWorld、 8歳で小学2年生です。おとなしい性格で我慢強いです。でも、時々拗ねてしまいます。得意な科目は算数です。お家の手伝いは、水の濾過。時々お皿も洗ってくれます。
三男はUp、 6歳で幼稚園の年長さんです。明るくて、とても従順な子です。お家の手伝いは、水を濾過することです。




三人のお息子たち
  • ご主人はどんな方ですか?
私の主人はEakkarat、44歳です。とても真面目な人で、いつも私を手伝ってくれます。家族の為に一生懸命に働いてくれます。そして、いつも新しいテクノロジーに付いて勉強していますよ。家族をとても愛していますし、お酒は飲みません。でも、たまに煙草を吸います。そして、いつも家族と一緒にいてくれる、とてもとても良いお父さんです。


ご主人のEkkaratさん



 
  • 貴方とご家族の夢を教えてください。
将来は故郷のウドンターニー県に戻りたいと思います。そこで農業をすると思います。「細やかに暮らす」ことをしたいです。村の暮らしでは、ほかの人が私の出来ない事を手伝ってくれて、私は私の出来る事でほかの人を手伝います。そう云う暮らしは、首都バンコクよりも幸せなことです。
  • 最後に日本の奨学金支援者の皆さんにメッセージをお願いします。
経済的に恵まれない子どもたちの為に、多くのご支援を頂きありがとうございます。タイ政府は無償教育政策を実施していますが、政府が中学生支援に使う予算は充分とは言えません。その為、皆様からの奨学金は子どもたちとその両親の大きな助けとなっています。さらに、奨学生が勉強を続ける上での大きな励みになっています。しかし今年度はコロナ感染症の影響も有り、EDFは奨学金を給付する生徒数を削減しなければなりません。EDFは奨学金を申請した全ての子どもたちに必要な奨学金を集める事ができていません。2022年度もまだ多くの子どもたちが奨学金を待っています。ご支援者の皆様には引き続きのご支援を、又お友達やお知り合いの方々にダルニー奨学金をご紹介して頂きますようお願い申し上げます。私は、奨学金を頂いた子どもたちが中学校を卒業し、さらに成長して、やがては社会貢献が出来る様な大人になってくれると思っています。日本の支援者の皆様にはいつもご支援を頂き感謝致します。本当に有難う御座います。

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