元EDF奨学生「パーナットさん」のご紹介
どれだけ困難な状況に置かれても、常に勉強のチャンスを見つけ続け、故郷の発展のために貢献したいと頑張っているパーナットさん
元EDF奨学生「パーナットさん」のご紹介
プロフィール
パーナット・クラーイクッブカム君 18才 
ニックネーム:ナット 
中学1~3年時 ウドンターニー県 バーン・マークヤー学校
(2015~2017年度) 
高校1年~3年時 ウドンターニー県 ノンウアソピッタヤーコム学校
(2018~2020年度) 

EDFでは、以前2015年に当時ウドンターニー県の小学6年生で、ナット君(ニックネーム)ことパーナット・クラーイクッブカム君について皆さんにご紹介したことがありました。ナット君は、決して貧困な境遇に負けることなく学校から家へ戻ると生計のために両親がもち米を蒸す道具を編む手伝いをしていました。その上、勉強もとても熱心で全ての科目が成績平均値4(最高平均値:4)でした。ナット君は、中学、高校とEDFの教育奨学金の支援を受け成績平均値3.41という好成績で2020年に高校の理数科コースを卒業しました。
 
まだ、EDFの教育奨学金の支援を受けていない頃の小学6年生、
12才当時のナット君と母親、もち米を蒸す道具を編む作業を手伝っているところ



高校1年生、16才当時のナット君、EDF教育奨学金担当のチャンデーン先生と共に
 
ナット君は、去る2021年3月に無事に高校を卒業してバンコクのある大学の奨学金を得る機会に恵まれました。それもナット君が勉強したかった農業技術学科への入学でした。しかし、その奨学金は食費などの生活費をカバーしておらずその工面ができないためやむを得ず入学を断念するしかありませんでした。また、追い打ちをかけるようにタイでは新型コロナウィルス感染が急拡大し、家族も苦境に立たされることになり、18才のナット君は、今は大学進学への夢を一時中断し、家族のために就職をすることを決意しました。そして現在、バンコク近郊のサムットプラカーン県の家具とインテリアの会社で働いています。

EDFの教育奨学金を受けていたものの家族や自分の学費の足しにと
田植えの日雇いやもち米を蒸す道具を編むナット君
 
ナット君は、『今、僕がしている仕事は高校を卒業して一生の中で初めて得た就職という形の仕事です。中学生の時はよく日雇いの仕事に出ていましたが、高校2年生になり大学受験を控え受験勉強が忙しくそれまでほど日雇いの仕事をすることができなくなりました。それでも家計、自分の勉強や学校の活動参加費のために両親といっしょにサトウキビの収穫に行ったりしました。』と私達に語ってくれました。
 
そして自分の夢と今後の勉強の機会については、『高校1年生の時は、個人的に興味のあった経理について学びたいと思っていましたが、その後、雇用の機会や仕事の選択がより広い実用的な職業系の勉強がいいかなと考え直しました。けれども高校3年生の時に新型コロナウィルス感染拡大の影響で両親の日雇いの仕事が以前よりもずっと減り生活が苦しくなり僕は、今は勉強や進学は中断し、両親に仕送りするために働くことを決意しました。勉強については今のコロナ禍時代に見合った形で仕事が終わった後の夜間や休日のみのコースでの勉強のチャンスが見つかりそれが将来的に役に立つかもしれません。大卒と同等の給料は得られませんが、僕は、高校を卒業してこうして就を得ることができました。だから今は、しっかりと自分自身を見つめ直し、家族のために働こうと思います。そして将来、自分にその準備が整ったら故郷へ戻り自身のビジネスを起こし、故郷の発展のために貢献したいと思っています。もしこの先、農業技術を学ぶチャンスがあればその知識や技術を村の農業の発展のために活かし、子供の頃に目にした村の様々な農業問題を解決していきたいと思います。』と語ってくれました。
 
高校生活最後の高校三年生当時、卒業式で卒業証書を授与されるナット君
 
また、EDFの教育奨学金に関しては、『僕は、中学1年生から高校3年生まで6年間ずっとEDFの奨学金の支援を受けていました。また同時に学校の奨学金の支援も受けていました。支援をしてくださったEDFの奨学金の里親、支援者の方には心より感謝しています。どうもありがとうございました。支援して頂いた奨学金のおかげで僕は、金銭的な問題で学校に通えないのではと不安に陥ることなく安心して勉強を続けることができました。また、EDFの奨学金は、僕たち家族の経済的な負担をも和らげてくれました。高校3年生卒業時、支援して頂いた奨学金は4,000バーツの残金がありました。僕は、この4,000バーツを就職先のサムットプラカーン県への交通費そして初めての社会人生活スタートの準備金として大切に使わせて頂きました。』と続けて語ってくれました。
 
新型コロナウィルス流行最中に就職したナット君は、職場での体験も話してくれました。『僕の仕事も新型コロナウィルスの影響を受けました。本来は家具の注文を受けてそれをお客さんに配達、設置して一仕事となりますが、会社への注文は減ることなく注文を受けても規制措置のために配達や設置ができない日もありました。給料は日給制で配達や設置がない日、すなわち自分の仕事がない日は日給はゼロという時もありました。はやく新型コロナウィルスが収束して、この様な状況が改善されていかれればと思います。』
 
サムットプラカーン県の家具の会社で働こうと決心した現在のナット君
 
ナット君は、子供の頃から今日までずっと自身のモットーをしっかり守り続けています。『私達は、誰もが生まれてくる環境を選ぶことはできません。生活資本も皆それぞれ違います。けれども私達は自分達が望む環境を自分の手で作り上げていくことができます。そして自分の目標に向かって力強く努力し続けることができます。』ナット君の人生は新型コロナウィルスの影響もあり今はまだ限られた閉鎖された状況に置かれ、今後少し回り道をしなくてはならないかもしれませんが、彼は、まだ決して自分自身の夢をあきらめていません。それは、当初より遠い道のりになるかもしれません。でも、ナット君が自身の努力を惜しまない限りきっとある日、彼は、自分の夢に辿り着けることでしょう。私達EDFスタッフ一同は、ナット君そして今、困難な生活を強いられている方々全ての皆さんに励ましを送り続ける一存在でありたいと願っています。

 
 
 
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