プリダーポン・ウォンシリ(フォン)
プリダーポン・ウォンシリ(フォン) 弟と一緒に日雇い労働、時々得る150バーツ/日の収入がすべて
家族が離れ離れに生活をし、子どもが田舎の年老いた親戚に預けられる状況は、教育の機会に恵まれず、田舎で生活をする子どもたちの生活の質や精神に悪影響を及ぼす要因の一つです。そして、両親間の様々な問題が離婚へとつながり、ひいては子どもたちに避けられない問題となって降りかかってくるのです。
 
今日は、フォンちゃんことプリダーポン・ウォンシリちゃんについてお伝えしたいと思います。フォンちゃんは14歳、ナコンラチャシーマー県のニコム・サーン・トンエン・ラムタコン4学校に通う中学2年のEDF奨学生です。フォンちゃんは、2010年からEDFの中学部奨学金を受給している生徒の一人です。
 
現在、フォンちゃんは祖母と小学4年生(10歳)の弟と生活をしています。両親は、フォンちゃんがまだ小さいときに離婚をし、それぞれフォンちゃんとは離れて生活、再婚をして新しい家族もいます。フォンちゃんと弟は、高血圧の持病を持つ現在70歳になる祖母のところに残されたのです。
 
フォンちゃんは私たちに次のように話してくれました。「両親がどうして離婚したのか分かりません。知っているのは、2人とも新しい家族があり、子どももいるということだけです。初めは、私も弟もとても悲しかったです。弟と“どうして私たちも一緒に連れて行ってくれないのだろう”とよく泣いていました。でも、おばあさんが、“2人には両親がいないけれど、私がお父さんの代わりも、お母さんの代わりもするから”といつも励ましてくれました。私はおばあさんのことが一番好きです。」フォンちゃんが一番悲しんでいることは、再婚したあとお母さんから一切連絡がないことです。お父さんは、ごくたまに家に帰ってきて、おばあさんにいくらかのお金を渡しています。
 
現在、おばあさんは70歳。高血圧を患っており、薬を飲み続けなければなりませんし、重労働もできませんので、家族に収入はありません。ですから、フォンちゃんと弟は、休みの日には唐辛子、キャッサバの収穫やその時期に応じて発生する日雇いの仕事を毎回しなければならないのです。一日の収入は150バーツ。家族の生活費となります。また、野菜を栽培したり、村の運河から魚を獲ってきたりして食事を賄っています。
 
奨学金を受け取るようになってから、フォンちゃんは次のように話しています。「私に学業を続けさせてくれた心優しい人に深く感謝をしています。もし、あのとき奨学金が受け取れなかったら、現在の私はどうなっているか分かりません。頂いた奨学金は、昼食代や文房具を買うのに使っています。私は、どのようにこの恩をお返しすればよいのか分かりませんが、まじめに勉強をし、精一杯努力をし、社会に迷惑をかけないことを約束します。」フォンちゃんは、中学3年生を終えてからも働きながら学校外教育を受け、大学へと進む学費を貯められるように、そして、弟が高等教育を受けることができるように、現在精一杯学業に取り組んでいます。
 
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