無償教育は全部無償だということは誤解

   皆様はすでによくご存じかもしれませんが、タイ政府は2009年から児童生徒の教育を支援するために、15年間の無償教育政策を公示しています。この政策の概要について述べると、15年間の無償教育とは、幼稚園から中学・高校教育、そして職業教育までを指しており、公立及び私立のどちらの学校でも実施しています。公立の学校であれば授業料は100%無料ですが、私立の学校では、授業料の一部を政府が負担することになっています。政府が援助する無償教育の予算は、5つの項目に分かれています。すなわち授業料、教科書代、制服代、学用品・文房具代、 コンピューターや社会見学などの特別な授業の経費です。そのうち制服と学用品・文房具は生徒側が購入するので、保護者は、その費用を現金で受け取り、学校に領収証を見せることになっています。


   

 EDFの奨学金を何のために一番多く使うかという調査を、中学校の奨学生を対象として行なったところ、学用品と制服という回答が一番多いという結果が出ました。支援者の皆様は、それなら政府からの援助金は、充分ではないということだろうかとお考えになるのではないでしょうか。そこで、皆様に下記の表のデータを見ていただきたいと思います。

                              品目 政府が中学生へ1年間に支給できる金額(バーツ) 各品目が実際に1年間にかかる金額(バーツ)
学用品・文房具(練習用ノート、鉛筆、ボールペン、消しゴム、定規、図形に使う文房具、コンピューター用品(例:CD)A4用紙、美術の科目で使う色彩用具                     210                     633
制服(上着、ズボン、スカート、ベルト、靴、靴下、ボーイスカート・ガールスカートの制服、体育着)                     450                    2,059
 
上記の表の必要な物品の実際にかかる金額は、EDFが市価を調査したもので、ダルニー通信73号(2013年)に掲載してあります。児童生徒の保護者は、この政策について、政府が教育の費用をすべて支給し、保護者は学費については何ら負担する必要がないものであると理解しました。しかし、それは誤解でした。なぜなら、政府の予算自体が全品目を援助できるだけの充分な金額ではないからです。
 
  以上のことからEDFの事業を通じて、教育のために寄付していただいたお金は、貧困家庭の児童生徒にとって、貴重なものであることがおわかりいただけると思います。政府からの援助があったとしても、それは教育費用の一部で、補習のための学用品や教室外で行う学習のためのテキスト、あるいは制服類を全部購入するためには、充分な金額ではないからです。
 
15年間の無償教育政策に関するデータの出典:http://www.krucenter.net/UserFiles/File/sob/s4.pdf(タイ語)


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