タイブリヂストン社
タイブリヂストン社
 タイブリヂストン社、岩田敏朗さんとポッチャニー・キアンケーオさん
 
NGOと共同で、これまでとは一味違ったプロジェクト「Rides the FUTURE

タイブリヂストン社はEDFと共同で「Rides the FUTURE」プロジェクトを実施しています。このプロジェクトで、タイブリヂストンはルーイ県、ウドンターニー県、チャイヤプーム県の三県の児童300人に奨学金及び通学用の自転車を提供しました。そこで、同社のテクニカル・ディレクター、岩田敏朗さんと人材部長のポッチャニー・キアンケーオさんに、同社で行っている社会貢献活動の方針と計画、及び『Rides the FUTURE』に参加されたときの感想について尋ねました。
 
―岩田さんご自身とタイブリヂストン社の来歴について教えていただけますか?

岩田さん私は日本の島根県で生まれました。大学卒業後、ブリヂストン社に入社し、開発部門とタイヤ生産・工場部門に勤めました。その後、2004年4月25日よりタイ工場に赴任して現在に到っています。一方、タイブリヂストン社ですが、会社が設立されたのは1969年のことです。現在は大型車のタイヤを製造しているランシット工場と小型車のタイヤを製造しているサラブリー工場の二つの工場があり、従業員は全部で約3,000人です。

―岩田さんの目から見たタイ社会の問題点とその解決方法についてお話いただけますか?

岩田さん人間の本質というより家庭環境とか周りの環境で作られた躾からくる問題だと思いますが、たとえば、職場で発生する問題の中には、問題を起こした本人の慎重さに欠けた考え方が原因で起こるケースが散見されます。彼らが今よりもっと多くの教育を受けることができ、ものを考える訓練、つまり、何が正しく何が間違っているのかを考え、理解する訓練を受ければ、ほとんどの人は善悪を正しく判断でき、社会規範を守ることが出来るようになるでしょう。これは、まず親の責任ですね。親が子供の良い手本にならなくてはいけません。たとえば、父親が酒ばかり飲んで、家に帰ってくるなり子供の前で妻と喧嘩を始める、そんな親は子供にとって悪い手本ですね。そのような環境で育つとなかなか人を尊敬するとか、多くの友達との信頼関係を作り上げるのが難しくなります。また、不幸にしてそのような環境で育った子供でも、学校でしっかりした教育を受け、学校の先生たちが暖かく指導してあげれば、子供たちの可能性を広げることが出来ると思います。
 
―御社の会社の社会貢献活動、それからEDFと共同で行ったプロジェクト『Rides the FUTURE』についてもお願いします?
 
ポッチャニーさん仕事の能率を上げるために、自社の従業員に対して技術的な教育支援を行ったのがそもそもの始まりです。また何人かの社員には仕事が終わったあとに勉強にいかせます。そのほか、福利厚生の一環として、社員の子供たちに対しても各種援助を行っています。社外での社会貢献活動については、本が少ない学校に図書室を作って、そこに本を寄贈するという活動がメインです。工場の近隣の県、つまりパトゥムターニー県、アユタヤ県、それからサラブリー県で展開しています。現在までに全部で68ヶ所に図書室を作りました。今年、このプロジェクトはプーミポン国王陛下の80歳のお誕生日のお祝いにちなみ合計80ヶ所の図書室の開設を予定しています。このほか、私たちは高等教育への奨学金支援も行っています。また現在進行中のプロジェクトとしてローイエット県に『第7番目の科学学習センター』を建設するプロジェクトがあります。これは、東北地方の子供たちに科学的なものの見方を身につけてもらう一助として企画されたものです。
 
岩田さんダルニー奨学金については、まだ日本にいる頃、テレビの番組で見て知っていました。このたび、EDFさんから、今までブリヂストンがしてきたのとはひと味違った形でのプロジェクト、すなわち、自転車と奨学金をともに提供する「Rides the FUTURE」プロジェクトの提案がありました。バスの乗降口に大勢の子供たちがぶらさがっている写真を見たときに、これは危険だなと思いました。学校まで通う自転車があれば、こんなことをしなくてもいい。そういうわけで、このプロジェクトをぜひ実現させようと決意しました。これは本当に役に立つでしょう。さらに、この自転車は子供たちにあげてしまうわけではなく、子供たちは卒業するときに自転車を後輩にゆずるわけです。そのために自転車の日常の整備方法も訓練されていると聞きました。これはとてもいいアイデアです。自転車と奨学金を子供たちに提供する式典に参加した日、私は本当に嬉しかったですね。子供たちも、それから学校の先生の皆さんも大喜びでした。
 
ポッチャニーさん:『Rides the FUTURE』は、いわゆるCSR(Corporate Social Responsibility =企業の社会的責任)の1つの輝かしい実績だと思います。CSRは、社会のすべての人の生活水準を向上させるために、きちんとシステム化された効率のよい社会支援体制をつくることを企業組織に対して促すものですね。この潮流は現在、どんどん大きくなってきています。最期に、奨学生のみなさんには、勉強に励むこと、夢をもつこと、そして仮に中学三年までしか学校にいけなかったとしても、今している仕事を一生懸命やって、それに上達すること、そうすれば、いつか必ず能力が身に付き、人生を豊かなものに変えることができます。がんばってください。
 
 
 



(2006年9月、ダルニーニュース8号より)
 
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