奨学生レポート : 2019年3月に卒業する予定のチョークさん
奨学生レポート : 2019年3月に卒業する予定のチョークさん 先生の暖かいご指導と奨学金を提供戴いた方の心優しい励ましが大きな力を与えてくれました。

名前:ワッタナー・グートナイラー ニックネーム:チョーク
年齢:16歳 学校:ブリラム県バーンペーンプワイ中学校の3年生

     
写真1.蚕の世話をする祖母の仕事を  写真 2. ボイスカウト制服のチョークさん
                          手伝っているチョーク(中1の時の写真)

 ワッタナー・グートナイラー(ニックネームは、チョーク)は16歳で、現在ブリラム県バーンペーンプワイ中学校の3年生です。チョークは、2018年度の奨学金で1年分(Cタイプ)をもらっていて、この2019年3月に中学校を卒業することになっています。チョークの両親は、離婚しています。母親は再婚して、新しい夫のもとへ行ってしまいました。チョークは、父親、祖父母、妹と暮らしています。祖父と祖母は、ブリラム県の「足るを知る経済センター」に雇われて働いています。祖父は、魚を養殖したり野菜を栽培したりして、それらを収穫し、村へ売りに行くのが仕事です。祖母は、織物用の生糸を作るために飼っている蚕の世話をするのが仕事です。父親は、建設現場で働くのを仕事にしています。それで、何か月もの長い期間、他県へ働きに行かなければならないので、たまにしか家へ帰って来ません。だから、チョークと妹は、祖父母と一緒に暮らしています。家庭内でかかる費用は、祖父と祖母が働いて得た収入で、全部まかなっています。二人の収入を合わせておよそ5千バーツですが、それで食費、水道代、電気代、チョークと妹の二人が学校で使うお金、そして時々自分たちが具合の悪い時にかかる病院の診察代にも充てています。放課後、チョークは時々、蚕の世話をする祖母を手伝いにセンターへ行きます。蚕についての知識が得られるだけでなく、祖母の仕事を早く終わらせることができるからです。そして一緒に家へ帰ります。


チョークとソムキット先生
 
 しかし、祖父母は月曜日から金曜日まで、朝7時から夕方6時まで働いていますので、チョークの面倒を見る時間がありません。そのためチョークは、友だちと遊ぶのが面白くなって、時には勉強を怠けたり、それほど真面目に勉強しなくなったりしたことがありました。そんな時、バーンペーンプワイ中学校でEDF財団の奨学金を担当しているソムキット・カミガンワーン先生が、チョークを見守って注意を与え、いろいろなアドバイスをして支え続けました。そのお蔭でチョークは立ち直り、中学校卒業を目指して一生懸命勉強するようになりました。
ソムキット・カミガンワーン先生は、チョークの問題について、次のように述べています。


コンピューター授業を行っているソムキット先生
 
「中学3年生というのは、チョークを含めてたくさんの生徒にとって、一つの分岐点です。というのも貧しい家庭の子供のほとんどは、両親が離婚してそれぞれに再婚し、新しい家族と暮らしているという状況です。彼らの両親は、子供を連れて行かず、彼らの養育を祖父母たちに押し付けてしまいました。これらの子供たちは、面倒をしっかり見てくれる保護者がいないので、中学を卒業できないかもしれないという危険を抱えています。そこで、教師は、教師の務めと同時に、保護者という役割も果たさなければなりません。」
 「チョークは、成績は中程度ですが、真面目に勉強する子供です。素直で先生たちの言うことを良く聞きます。チョークが、勉強のことで問題があった時でさえ、問題解決に向けて、チョーク自身とも彼の祖父母たちとも話し合うことができました。もっと言えば励ますこともできました。だからこそ、チョークは気持ちを入れ替えて、以前のように勉強するようになったのです。それまでより責任感が強くなったとも思います。
チョークが元通り真面目に勉強するようになった理由のもう一つ重要なことは、心優しい支援者からの奨学金をもらえたということです。彼は、それに元気づけられましたし、学校で使うお金の心配が無くなったからなのです。」


チョーク、妹と祖母
 
「僕がもらった奨学金は、中学3年の1年分だけではありましたが、僕は、両親と祖父母のような家族たちや、勉強のことでずっと僕を助けてくれた先生たちだけでなく、顔を合わせたこともないのに奨学金を援助してくれる人がいるということを知りました。その方は、思いやり深くて親切にも僕に奨学金をくれましたが、それは僕が勉強していくのに、とても大きな励ましになりました。僕は、その方の思いやりの心に本当に感動しました。」
と、チョークは、語っていました。
 中学を卒業した後、チョークは職業系のコースに進学したいと思っています。ナーンローン工業高等専門学校の溶接技術者学科です。職業系のコースへ進学を希望する理由は、卒業した後、ブリラム県内で就職することができるからです。そうすれば、バンコクのような所まで行かなくても、祖父母や妹の世話をすることができますから。


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